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麻疹(はしか・ましん) |
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伝染力は非常に強い病気ですが、ワクチンをしておくとほとんどかかることはありません。
最近は大きな流行はありませんが、昨年度は札幌市で春先と秋口に幼稚園や保育所を中心に
小流行がありました。
【原因】 |
麻疹ウィルス |
【潜伏期間】 |
10〜12日 |
【症状】 |
発熱と共に咳、目やにが出ます。普通の風邪の症状と区別化つきませんが、
口の中の粘膜に麻疹特有の白い斑点(コプリコック班)が見られます。
発熱後約3日で少し熱が下がったかなと思ったころ、再度高熱が出てそれと共に
全身に細かな黒い発疹が出てきます。高熱は3〜4日続き咳も強く重症感があります。
発疹はそばかすの様な色素沈着を残します。 |
【合併症】 |
気管支炎、肺炎、中耳炎、時に脳炎 |
【治療】 |
特別な治療法はありません。
快適な環境の中で安静や、十分な栄養補給が大切です。
合併症に対しては抗生物質などが投与されます。 |
【予防】 |
最善の方法はワクチンです。
麻疹風疹混合ワクチン。1歳過ぎと入学前の1年間に2回必ず受けてください。 |
【集団生活】 |
熱が下がってから3日過ぎたら可能です。 |
【小児科医会
から一言】 |
麻疹は衛生環境の悪い国や栄養状態の悪い人では死亡することも多い
恐ろしい病気です。ワクチンをしていないのに麻疹の人と一緒になってしまったときは、
6日以内であれば免疫グロブリン製剤を注射するとかからないか、かかっても軽くすみます。
3日以内であればすぐ麻疹を含むワクチンを接種するのも方法です。
1歳未満でも私費でワクチンを接種すると良いでしょう。
ただしこの場合は1歳を過ぎたらもう一度公費でワクチンを接種する必要があります。
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水痘(すいとう・水疱瘡・みずぼうそう) |
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例年、暑くなると流行します。
伝染力が強く、保育所、幼稚園、病院などで移る機会の多い病気です。
【原因】 |
水痘ウィルス |
【潜伏期間】 |
約2週間 |
【症状】 |
全身に水痘(水ぶくれ)が多数できます。熱は出ないこともあります。
水痘ははじめ透明ですが、次第に中身が濁った感じになり7日位でかさぶたを作って治ります。
かさぶたの剥がれたあとは数年間残ることもあります。
ほとんどの人は大きな合併症もなく自然に治ってしまう病気ですが、
抗がん剤やステロイド剤を使っている人がかかると重症化して死亡することもあります。 |
【合併症】 |
稀に脳炎。何年もたってから帯状疱疹を発症することがあります。 |
【治療】 |
水痘は破らないようにして清潔にしてください。痒いので痒み止めを使います。
抗ウィルス剤(ゾビラックス)を使うと軽くすませることができますが、高価な薬ですので、
重症の人や免疫力の弱くなっている人に使われます。 |
【予防】 |
水痘ワクチンが有効です。ワクチンを接種しても10〜20%の人がかかることがありますが、
かかっても非常に軽くすみます。 |
【集団生活】 |
水泡の出る1日前から伝染力があり、手掌や足の裏以外の全身の水泡が完全に
かさぶたになるまでは伝染力があります。 |
【小児科医会
から一言】 |
水痘ワクチンは私費で接種しなければいけませんが、幼稚園や保育所などの集団生活を
している場合は接種しておくと良いでしょう。
保育所などで流行したときも感染してから3日以内であればワクチンを接種すると予防できます。
1歳未満の子どもや感染してから3日以上過ぎてしまった場合は、感染してから7日目から
ゾビラックスを服用すると発症を予防できることがありますが、この方法は健康保険が効きません。 |
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風疹(ふうしん・三日はしか) |
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三日はしかと言うように発熱と発疹が同時に出て3日間続きます。
妊娠している女性がかかると胎児に重い障害を残します。
【原因】 |
風疹ウィルス |
【潜伏期間】 |
16〜18日 |
【症状】 |
顔面、耳の後ろから麻疹に似たばら色の発疹が全身に拡がり3日ほどであとを残さず消えます。
首のリンパ節が腫れることが多く、熱は出ても軽くすみます。
年長になるほど症状は強くなるようです。 |
【合併症】 |
ほとんどありませんが、稀に脳炎(4000〜6000例に1人)、血小板減少症、関節炎など。妊娠初期の女性がかかると胎児に白内障、難聴、心臓病などの重い障害を残します(先天性風疹症候群)。 |
【治療】 |
特にありません。 |
【予防】 |
麻疹風疹混合ワクチン。1歳過ぎと入学前の1年間に2回必ず受けてください。 |
【小児科医会
から一言】 |
風疹と判断するのは難しく、風疹ではない発疹性疾患を風疹と間違って診断されることもあります。
血液検査では風疹抗体価を調べることのみが確実な診断法です。
特に女性は、風疹と判断されても風疹抗体価を検査していなければ風疹ワクチンをしたほうが良いです。 |
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突発性発疹 |
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生後6ヶ月から2歳までにかかることが多い病気です。
乳幼期では生まれて始めての発熱がこの病気のことが多く、時に熱性けいれんをおこすこともあります。
【原因】 |
ヒトヘルペスウィルス6型(時に7型) |
【症状】 |
突然の発熱で発症します。多くの場合咳や鼻水は強くありません。
発熱は約3日間続き、熱が下がると共に全身に淡い紅色の発疹が出てきます。
発疹は1〜3日で消え、あとを残しません。 |
【合併症】 |
熱性けいれんをおこすことがあります。脳圧があがることもあり、幼児では大泉門が腫れるために髄膜炎と間違えられることがあります。 |
【治療】 |
特にありません。 |
【予防】 |
特にありません。 |
【集団生活】 |
発熱などで一般状態が悪いときを除いて特に制限はありません。 |
【小児科医会
から一言】 |
いくつかのウィルスが同じような症状を出すために、何度か突発性発疹でしょうと言われることがあるかもしれません。 |
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手足口病 |
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手、足、口に発疹がでるため手足口病と呼ばれています。
春から秋に流行することが多く、特に夏に多いため、夏かぜの一つといえます。
【原因】 |
主な病原はコクサッキーウィルスA16とエンテロウィルス71です。
コクサッキーウィルスA10による流行もときに見られます。 |
【潜伏期間】 |
3〜7日 唾液や糞便を介して感染します。 |
【症状】 |
手のひら、足の裏に平らな楕円形の硬い水泡が出現します。
ひじ、ひざ、おしりにも発疹が出ることがあります。
水泡は数日で茶色くなって吸収され、かさぶたになることはあまりありません。
口の中には直径2〜3ミリの粘膜疹が多数出現します。
痛みが強くて食べたり飲んだりできなくなり、脱水の原因となることもあります。
熱は3分の1の人に見られますが、38℃台程度で1〜3日でおさまります。 |
【治療】 |
手足口病を治すための特別な治療はありません。
痛みを和らげたり、二次感染を防いだりといった対症療法が中心となります。 |
【経過】 |
通常は自然に治る病気ですので、痛みのため水分も飲めないということがなければ心配は
要りません。全身状態がよければ学校や幼稚園に行ってもかまわないことになっています。
(できれば主な症状がおさまるまで自宅で様子を見たほうがよういでしょう。) |
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伝染病紅班(りんご病) |
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小児を中心として時に成人も罹る流行性の発疹症で、ほほに蝶形の紅班が、ついで腕と脚に多形性の紅班が見られるのが特徴です。
顔の発疹の様子からに本では”りんご病”と呼ばれています。
【病因】 |
パルボウィルスB19という名のウィルスの感染が原因です。
聞きなれない名前ですが、わが国では0〜4歳では10%、20〜30歳台では30〜40%、50歳以上では76%の人が抗体をもっています。(つまり過去に感染を受けたことがあります。) |
【臨床症状】 |
感染初期には発熱とともに筋肉痛や頭痛、関節痛、軽いかぜ症状(のどの痛み、咳)、消化器症状(下痢、嘔吐)などが出現します。
これらの症状は軽く、気付かれない場合もあります。
その後4〜7日頃に第二の症状である発疹が出現します。
発疹は顔の蝶形の紅班と全身、特に四肢の紅班が中心です。
顔から始まって1〜2日遅れて四肢に拡がることがく、紅班は次第に融合してレース状、網目状、環状などを示すことがあります。発疹はかゆみや熱感を伴うこともあります。
通常数日から1週間ほどで軽快しますが、日光、温度、機械的刺激により再燃することがあります。 |
【治療】 |
全身状態が悪化することはなく、予後も良好なので特別な治療を必要としませんが、かゆみの強い場合には抗ヒスタミン剤、頭痛や関節痛には消炎鎮痛剤などを使用することがあります。 |
【そのたの注意】 |
発疹が出現するのは感染後16〜18日後ですが、この頃にはもうウィルスの排泄はないとされています。したがってりんご病と診断されてから人との接触をさける必要はないと考えられます。
一方、妊娠中に罹ると流産や死産の可能性が高くなることが知られています。
また溶血性貧血の患者さんでは症状が悪化する恐れがあり注意が必要です。 |
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溶連菌(ようれんきん)感染症 |
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【病因】 |
A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)という細菌の感染で起こります。
猩紅熱と同じ病気ですが、最近は溶連菌感染症と呼ぶことが多くなりました。 |
【症状】 |
潜伏期は2〜3日です。
上気道炎症状の後、突然高い熱がでて、のどが腫れて痛みを訴えます。
翌日より小さな赤い発疹が出て、全身に拡がります。
その後、舌の表面が赤くざらざらして苺のようになります。(苺舌)。
発疹は4〜5日で薄れてきて、皮が細かく剥けたり、指先の皮が膜様に剥けたりします。
典型的には上記の様な症状ですが、のどがひどく赤いだけのこともあります。
また、抗生剤を服用すると症状は軽くなり経過も短くなります。 |
【診断】 |
のどをぬぐって溶連菌の有無を検査することができます。溶連菌が見つかれば確実に診断できます。 |
【治療】 |
溶連菌に効く抗生剤を飲むことで治療します。 通常、薬を飲んで翌日からは熱が出なくなり、他の症状も軽くなってきます。
溶連菌の感染力は2〜3日でなくなりますが、完全に殺菌するために10〜14日間 ほど治療を続ける必要があります。
合併症として急性腎炎が起きていないかどうか確認するために、2〜3週間後に検尿することがあります。 |
【家族内感染】 |
成人はまれにしか感染しませんが、兄弟に感染することは時々ありますので、
疑わしい症状があるときはのどの検査で診断します。 |
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ヘルパンギーナ |
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のどの発疹が特徴的な流行性の病気で、突然の発熱ではじまります。
流行は初夏から夏に多く、いわゆる夏かぜの代表です。
【病因】 |
病原はコクサッキーウィルスA群の2,3,4,5,6,10型が主です。 コクサッキーウィルスB群やエコーウィルスでも起こります。 潜伏期は2〜4日といわれています。 |
【症状】 |
高熱とのどに出る発疹が主な症状です。 吐気や軽度の下痢など消化器症状も見られることがあります。 発熱は通常1〜5日で自然に下がります。 のどの変化としては、口蓋垂の周辺や両側の粘膜に直径数ミリの黄色から白色の浅い潰瘍が見られます。 激しい痛みを伴って食べたり飲んだりできなくなることがありますが、痛みを訴えないこともあります。 |
【治療】 |
ヘルパンギーナを治すための特別な治療はありません。 熱を下げたり、痛みを和らげたり、二次感染を防いだりといった対症療法が中心となります。 発熱が続くときは、脱水にならないように水分摂取を心がけましょう。 |
【経過】 |
通常は自然に治る病気ですので高い熱が出ていてもあまり心配は要りません。 幼稚園や学校は熱が下がるまでお休みしましょう。 まれに髄膜炎、脳炎、心筋炎などの合併症を起こすことがありますので、ぐったりして 元気がない、頭痛を訴えて頻回に吐く、といった強い症状が見られるときは注意が必要です。 |
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おたふくかぜ |
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ムンプス、流行性耳下腺炎とも呼びます。 ムンプスウィルスの飛沫感染によって起こり、潜伏期は2〜3週間です。 罹ったことがなければ成人にも感染します。
【症状】 |
耳下腺(耳の下の唾液腺)や顎下腺(顎の下の唾液腺)が腫れて痛みます。 多くの場合は右と左の耳下腺が同時に腫れますが、片側ずつ順番に腫れたり、片側だけで終わることもあります。 熱は出ることも出ないこともあります。 |
【治療】 |
おたふくかぜを治すための特別な治療はありません。 熱や痛みには解熱鎮痛剤を使います。 痛みが強いときは冷やしたり、湿布薬を使うとよいでしょう。
酸っぱい物や味の濃い食べ物は痛みを強くすることがあるので避けた方がいいでしょう。 |
【合併症】 |
・無菌性髄膜炎 高熱、頭痛、嘔吐が主症状です。頻度は報告者により異なりますが10%から65%と言われています。 脳炎を伴わない限り、予後は良好です。 ・難聴 おたふくかぜの後遺症として難聴が起こることがあります。 多くは一側性なので気がつかないことがありますが、一度起こると残念ながら治療法はありません。 ・睾丸炎、卵巣炎、膵炎 思春期を過ぎてからおたふくかぜに罹ると、男性では睾丸炎、女性では卵巣炎を起こすことがあります。 多くは一側性なので一般に言われているほど不妊の原因となる頻度は高くはありません。 膵炎を合併すると激烈な腹痛、嘔吐、下痢が起こりますが、頻度は高くありません。 |
【予防法】 |
予防接種を受けると感染を防ぐことができます。 今のところ任意接種ですが、大きくなってからおたふくかぜに罹ると重症になることがありますので、 小さいうちに接種しておくことをお勧めします。 |
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起立性調節障害 |
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「起立性調節障害」は、ちょうど成長期にあたる小学校高学年から中学生にかけて多く見られます。
おとなでいう「自律神経失調症」といえます。
症状には「循環器症状」と「自律神経不安定症状」があります。
「循環器症状」は起立時の立ちくらみやめまい、脳貧血、入浴時に気持ちが悪くなる、どうきや息切れ、
朝起きが悪い。「自律神経不安定症状」は腹痛や、頭痛、顔色が悪い、食欲不振、けん怠感、乗り物酔い。
これらの訴えがいくつかあれば起立性調節障害と診断されます。
体がぐんと大きくなるこの時期、眠っている間に働く副交感神経と起床後に働く交感神経の切り替えが
うまくいかないのが原因です。体質的なもので親から受け継いでいる場合もあります。
症状がひどいときは、小児科医師に相談してお薬を処方してもらいましょう。朝、目を覚ましたらすぐに
服用して学校に出かけられるように体を調えます。またこの子たちは午後の3時ごろから調子がよくなり
どうしても夜更かしをしがちなので、早寝早起きの規則正しい生活をするように促します。
でも何より大切なのは、「頭が痛い」とか「おなかが痛い」というように本人が訴える症状をそのまま
受け止めること。その上で成長過程の一つの表れだという仕組みをよく説明して、どうするか考えます。
心も体も不安定さを抱えた中学時代が一番多いので「高校生くらいになるとほとんど治りますよ」と
見通しを伝えるだけで症状が改善することがあります。
朝起きられないとどうしても学校を休みがちになりますから、親としては「このまま不登校になったら
どうしよう」と不安になるのは無理ありません。しかし起立性調節障害の症状だけで不登校になるケースは
少なく、多くは心理的要因が関係します。症状が重くても、本人は気にせず部活でバリバリやっていることも
あるのです。
体の具合で起きられないだけなら、途中からでも登校できることが多いので「四時間目ぐらいから行かれる?」
と聞いてみて、「起立性調節障害のために、遅刻が多くなります」と一筆書いて学校に持たせます。
たったー枚の紙切れなんですが、学校側も生徒の様子がわかって安心でき、電話で学校にくるように
再三促すこともなくなります。学校がある日の朝に限って起きられないという場合は、まず休息させて、
本人の心の成長をあせらずに見守ること。不登校が長期化する場合には、本人や親を支えてくれる
カウンセラーが必要となります。子どものことを長くみてくれ味方になってくれる小児科医をみつけてください。
(筑波学園病院小児科部長・藤田 光江先生)
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ロタウイルス胃腸炎(乳児白色便性下痢症) |
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例年、2月から5月まで流行します。
生後6カ月から2歳までに初めてかかると重症化しやすいと言われています。
伝染力が強く、保育所、幼稚園などでうつる機会の多い病気です。
【原因】 |
ロタウイルス |
【潜伏期間】 |
24−48時間 |
【症状】 |
突然の嘔吐や高熱で始まることが多く、その後、下痢が1週間ほど続きます。
典型的な場合、下痢は水様便で1日に何回もみられます。
下痢の一回量は大量のことも多く、しばしばおむつからはみ出して背中まであふれます。 |
【合併症】 |
高度の脱水をきたしやすい。時に痙攣、まれに脳症。 |
【治療】 |
脱水に対する水分の補充が最も大切です。
病院で処方できるソリタT3顆粒や市販のOS-1、アクアライトORSがおすすめですが、
他の水分でもかまいません。少量ずつこまめに与えて下さい。
食事も大切で、普段から食べなれたものを少量ずつこまめに与えます。
ミルクは薄めずに普通の濃度で与えて下さい。
大量の水様便、嘔吐が続く、高熱がある場合には点滴し、場合により入院させます。 |
【予防】 |
ロタウイルスワクチンにより発症や重症化を予防します。
我が国においても2011年11月からロタリックス(2回接種)が発売され、
2012年夏にはロタテック(3回接種)が発売予定です。
生後6週から14週+6日までに1回目の接種を行う必要があります。
最終接種の時期もそれぞれ生後24週と32週に決まっており、
その時期を超えて受けることはできません。 |
【集団生活】 |
発症後およそ1週間は糞便中にウイルスが大量に排出されるので、
他の乳幼児との接触を制限して下さい。 |
【小児科医会
から一言】 |
ロタウイルスワクチンは私費で接種しなければいけませんが、
重症化予防のためには受けておくことをお薦めします。
保育園など乳幼児が多く集まる場所では容易に感染を受けますので、
通園させる予定がある場合には早めにワクチンを受けておきましょう。 |
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